キャンディード

木曜日は帝劇で『キャンディード』を観てきました。
原作は哲学者ヴォルテール

周りの人から聞く評判は…
イマイチ、分かりにくい、難しい、眠い…(汗)

あまりの評判…なので、期待せずに行ったのですが…
意外や意外!
思ったより面白かった(^^)OK

以前に日本で上演されたのとは演出家が違い、今回はレ・ミゼラブルでお馴染みのジョン・ケアード版なので、前評判とは違うのかも…

哲学的コントらしく…観ている時はクスッと笑い、後になってジワジワくる作品でした。

作品自体はミュージカルっぽくなくむしろオペラ?
芝居とオペラを融合した感じで、今まで観たことがないような作品でした。

音楽は…あまり耳に残る曲がなくて…
あのウエストサイドストーリーの作曲家バーンスタインなのにね…
でも、恐ろしく難しい。

最初は、こりゃちょっとヤバイ(汗)ねちゃうかも…って思ったけど、キャンディードの旅が進んで行くにつれて、何か少しずつ話の筋に引き込まれていってました。

舞台は…お金掛かってない?
大きな箱(トランク)みたいなのが、馬にも鞄にも船にも…何にでも化ける
その中から小道具が出てきて、わずかな物で色々な表現が出来るもんだと感心しました。
同時に役者の表現力も問われるけど…


出演者
市村正親井上芳雄新妻聖子村井国夫阿知波悟美 坂元健児、他…

脇を固める人達は、みんなレミゼでお馴染みの面々。
歌も芝居も素晴らしい最高のカンパニーです。


パングロス役の市村さんは、長い台詞を何時間も…スゴイ!!さすが(^^)v
途中、呂律が…って所もあったけど、もうそれは仕方ない。そのお歳じゃ充分です。
もう神の領域です(大袈裟(笑))

キャンディード役の芳雄くんは…そんなもんでしょう。
予想を裏切らない(良くも悪くも)

クネゴンデ役の新妻さん…スゴイ声です
あのオペラ並の歌を頑張って歌って、ビックリしました☆

老女役の阿知波さん、実はこの人が登場した途端、話が俄然面白くなってきました。

クネゴンデの兄マキシミリアン役のサカケン…男色家?というか…それを武器に生き延びてきた悲しい男…
笑えましたが(汗)

で、エルドラドから連れてきたひつじちゃん。可愛い
最後が可哀相だったけど(涙)


キャンディードとは『真っ白な紙』
彼の名は純真

お話は、家庭教師パングロスの『人生のあらゆる事は最善に仕組まれている』という楽観主義思想の教えを、素直に信じて生きている純真な青年キャンディードが、男爵の娘クネゴンデと恋仲になった為に住んでいた城を追い出され、放浪の旅に出ていきます。

余りに純粋で人を疑う事を知らぬ彼は、持っている物は騙しとられ、誤って人を殺し悲惨な状況に巻き込まれていき…

幾度乗り越えてもまたやってくる苦難。
戦争、大地震、宗教裁判、嵐、詐欺…

戦争で死んだはずのクネゴンデと再会したものの、彼女は愛よりお金と贅沢な暮らしを選び醜くなってしまいます。

その姿にショックを受けたキャンディードは、パングロスの楽観主義の思想は正しくないことに気づき、自分らしい生き方とは何か…と考えます。そして見つけた答えは…

最後にたどりついた場所は、小さな谷間の緑の楽園。
種をまき作物を育て収穫を感謝する人生を選びます。
ラストの場面で、私にもそこはユートピアに見えました。
自然の中で人々と穏やかに暖かく助け合って生きて行こうと決めたキャンディード。

胸に熱いものがジーンと込み上げてきました。


今回は初ミュージカルのブログ友達を誘って一緒に行きました。
市村さんが出てるので良いかな…と思って。
でも、初でこれっていうの…失敗したかな~って思ったけど、まあ何とか楽しんでくれて良かったです。

これ普通のミュージカルじゃないから、今度は王道を…(笑)