舞台『時計じかけのオレンジ』
お正月に東京赤坂のACTシアターで上演中の、小栗旬くん主演の舞台『時計じかけのオレンジ』を観劇してきました。
随分昔に映画化されセンセーショナルを巻き起こした作品です。
若いからと残虐な行為を残虐だと認識せず、暴力やレイプを繰り返し、最後には殺人へとエスカレートしていく若者アレックス達。
仲間の罠にはまり捕まった彼は、その心理状態を、新しい治療法の強制プログラムにより強制されてしまい、悪を行うと苦痛を味わうようになる。
果たしてそのまま生きていく事がこの若者にとって最良の事なのか…
そしてアレックスはどう生きるべきなのか…
私は見てはいませんが、映画版では目を覆いたくなるような残虐な場面がかなりあって、気持ちが悪くなる人もいるそうな…
そんな話をどんな風に舞台化していくのか、想像も出来ませんでした。
だいたい、パンクオペラって事だし…
舞台では勿論映画のような残虐な場面は少なく、バックに映像を流したり、台詞で残虐さを語るという方法なので、思ったほど恐ろしさはありません。
観る人の感性に委ねるという感じです。
所々、ベテラン勢…吉田綱太郎さん、橋本さとしさん、石川禅さんあたりが、上手く笑いを取りにいって、本来のストーリーの暗さを明るくしてる感じです。
そこがパンクだからって事なんでしょうね。
最近、小劇場系の舞台を時々観に行ってるけど、ちょっとそっち系に近い感じで、ある意味刺激的で面白い作品になっていると思います。
さて、出演者について…
パンクオペラだけど、主役アレックスの小栗くん、歌えるんですか？？って思ってたのですが、実際見ると…小栗君はあまり歌う場面はなく…まぁ、最後のソロも頑張ってたんじゃないかと思います(笑)
小栗君は出ずっぱりで、ファンは嬉しいですよね。
さすがにお芝居では良い味だしてます。
でも悪人役なんだけど…余り悪人っぽく見えない(汗)
カリギュラとかの方が悪人で残虐だったな…
これも、若さゆえの過ちって設定だから、本質的に悪ではないという解釈なんだろうか…
アレックスよりも、その強制プログラムの方が恐ろしく感じます。
小栗ファンは幕間にもお得な事があるので、観ようと思う方はお楽しみに(^^)
他に、キムラ緑子さんの演技が素晴らしい。
こんな役は緑子さんでないと…という、期待に削ぐわない、いやそれ以上に見応えがありますね。
吉田綱太郎さんはお芝居は勿論上手いんですが、他にそのお年でそれはキツイんじゃ…って事をされてます。
動いちゃダメって(笑)
最後まで頑張って下さい。
橋本さとしさんはパンク向き(^^)v
さとしさんが出てくると舞台が明るくなります。
でも、ちょっと出番が少なく勿体ない(-.-)
それに比べ、武田真治くん、凄く沢山の役で、コロコロ変わって面白い。
結局、何役してたのか…私は見落としていそうです(汗)
だって…あれ誰がしてるの？って思いながら観てた役が真治くんだったりするんだもの(汗)
真治くん探しも楽しいかも(^^)
で、肝心のお目当て石川禅さんですが…
凄く良い人の役な訳ですよ。
ひとつ病気はありますが(^～^)
出番も少ないんじゃ…と思ってたら意外に多くて、ファンには嬉しい誤算でした(*^o^*)
どんな舞台か内容が分かってしまうと興味が薄らぐので、もし禅さんの出番がもっと少なければリピートは無いかも…
禅さんは楽しんで芝居をしてるように見えました。
コメディっぽい場面もあって(例えて言うとヴァンパイアの教授のような)、どことなく市村さんを目指してるのか？って感じてしまいました。
歌もソロがあるし、やっばり…出演者の中では一番上手い(^^)v
舞台全般的には、私が観たのが二日目だったので、まだ乗り切れていない、硬さがある感じだったので、日が経つともっと面白い作品になりそうです。
何度もは無くても、一度観てみるには面白い作品かな…って思います(^^)
次は大阪２月に観る予定なので、どれだけ進化してるか楽しみですo(^-^)o
ACTシアターは１/30まで上演。
他に、仙台、大阪、北九州、愛知での地方公演あり。
