4/14・・・今、忘れられないライブに・・・

今回のツアーが、私にとって特別なツアーになる、と初めて神奈川県民ホールのライブを観た時に思った。

そして、この大阪のライブで、思いもかけぬASKAの言葉を聞いた。


13日、私の大切な歌『熱い想い』の後、ASKAが「ちょっと、明るくして」と、照明さんに言って会場が明るくなった。
カナケンでは、そのまま次の歌を続けて歌っていたし、その方が私は好きだし、感動をそのまま引き継げるので、効果的だと思っていた。
 
その時ASKAは短く話した。
「ダメなんだよね。今でも時々こんな気持ちになります。」
次の歌に対する今の気持ちなんだろう。

私は、この言葉をここに入れないといけないような、特別な想いがあるんだろうか?
ちょっと、分からなかった。


そして、次の日14日、また、この時に、ASKAは短く話した。
いきなりだった。
ビックリした。本当に耳を疑った。

「決して、封印してたわけじゃないんだ・・・でもその時は分からなかったんだよね。」と・・・
皆が、喜んでくれるから、これからも昔の曲を入れながらライブをして行く、という風なことを、続けて言った。

私が、20年近くも、ずっと待っていた言葉。


いつのライブだったのだろう。
'88年のツアーの時だっただろうか。
ライブ中に、「もう昔の歌は歌わない。」と宣言したASKA。
ショックだった。
その時は、ASKAの気持ちが分からずに、ただ悲しいと思うだけだった。

それから、本当に以前のようには、古い曲を入れてツアーをしなくなった。
『あの時言った事は本当だったんだ』
悲しく思いながらも、好きだったから、それからもライブには足を運んだ。
『いつか、歌ってくれるかもしれない。その時まで、行き続けよう』

たまに、古い曲を入れてくれるライブもあるにはあった。
そして、'99年の「20th Anniversary Premium Live」の時に、久しぶりに『安息の日々』を聴いた。
嬉しくて、涙が出た。
20周年という、記念のライブだから歌ってくれたんだ。そう思った。


それから、少しずつ昔の曲を歌うようになって、ASKAも変わってきたんだなって思った。

でも、私が突然で一番びっくりしたのが、お台場の『熱風コンサート』だった。
私には信じられないようなライブだった。
確かに期待してはいた。『熱風』と、名を打つぐらいなんだから、何曲かは歌ってくれると思っていた。
でも、心の中で、期待を持てば後で余計に悲しくなるだけだからと言い聞かせ諦めていた、私が一番聴きたかった『熱い想い』まで歌ってくれた。

『やっと聴けた。もう、これでいい』
私が、長い間わだかまっていたことが解けていった。

きっとあの頃のASKAには、溢れるほど新しい曲が生まれ、音楽の志向も変わり、POPSに移行していった時期だったから、曲調の違いや、ライブを構成する上で、昔の曲を入れるのは難しかったのだろう。
それに、新しく生まれてきた歌をいっぱい歌いたい。
そう思うのは、当然の事だったと思う。

あの時の私には分からなかったけど、その後、何年も彼らの音楽活動を見て来るうちに、自ずと分かるようになっていた。

そして、昔の歌以上に素晴らしい歌が沢山生まれ、そんなチャゲアスが大好きだったから今まで好きでい続けれた。
どんなにブレイクして遠くに行こうと、色々な事(中傷)を言われようと・・・

音楽も、お決まりではなく、いつも新しいものを求めていたから、決して自分が好きになれる曲ばかりでもなかったけど、それ以上に好きな曲が多かった。

ASKAの声が出なくて、色々言われた時も、きっと昔のようにもどる日が来ると信じてたし、
このままでも、ASKAを愛する気持ちは変わらないと思っていた。


そんな風に思いながら、お台場を経て、3年後、
『熱い想い』が、思いもかけず、今回のツアーに入っていた。
それを聴いた時の感想はカナケンの感想に書いたけれど、本当にびっくりした。



そして、この日のこの言葉。


何故、この時こんな事を言ったのか、この言葉の意味が分かった人は、この会場で何人いたのだろう。

この言葉を聞いた時、

『あ~、わかってくれてたんだな。私みたいなファンがきっと沢山いたんだ。その声に気づいていなかったわけじゃなかったんだ。その時には分からなくても、気づいてくれていたんだ。』

そしてその後の『NOT AT ALL』をじ~んとなりながら聴いた。
だからこの歌の前に話したんだ。
この歌の前にこの言葉を入れたわけが、ASKAの気持ちが凄く伝わってきた。
今が昔で、その時が今なんだって・・・そんな風に聞こえた。
そして、今もそれを繰り返しながら、音楽を続けている自分がいるんだって・・・

きっと、前の日も言いたかったのかもしれない。
ASKAはよくステージで、上手く言いたい事が表現できないでいてしまう事が多いから。



私は最初、14日のチケットを持っていなかった。どうしても手に入らなかった。
でも、勤めていた会社の友達が一緒に行くはずの妹さんが行けなくなり、声を掛けて下さった。
観れずにいたはずのこの日に、こんな言葉を聞くなんて、偶然ではない何かの力が働いてるように思えた。
私は、この日に行かなければならなかったのだ。
他の会場でも、話してくれるか分からない。
カナケンで言ってくれた、『ずっと続くから』って、言葉も大阪では言わなかったし・・・
そして、2日続けて観たから、この言葉が理解できたように思う。


この2日間のライブで、私はやっとあの言葉を聞いたライブから卒業できると思った。
私の中にはあの日からずっと、新たな気持ちでチャゲアスを見ていこうという私と一緒に、あの時置き去りにされたままの私がいた。

いつも、ライブを観る時、置き去りにされたままの私は、わずかな期待に胸を膨らませながら、そして、がっかりしたり・・・
それは他ならぬ、『熱い想い』この歌が聴きたかったからで、熱風コンサートでそれが叶い、もうこれでいいと思った時に、いなくなったと思っていた。

それでも時々、ASKAは今はどう思っているんだろう・・・って考える事があった。
ASKAはその答えを言ってくれた・・・
私達に謝ってくれたんだと思う。そして、ずっとついてきてくれてありがとうって・・・


この歌をライブで歌う時の『君』はいつも、私達ファンの事だと思ってきた。
だから、この歌をライブで聴きたかった。
聴けずに悲しかった理由がここにあったのかもしれない。

今、この気持ちをもう一度、私達に伝えようと歌ってくれる。
歌詞の一つ一つに、胸が熱くなる。
それだけでずっと想い続けたこの想いが報われた気がする。
だから、もう、このツアーが最後に聴けなくなっても、心残りなんかないよ。


でも、この曲は今まで以上に特別な曲になった。

忘れない。
この4/14という日を・・・
この『DOUBLE』というツアーを・・・

ここが、また、新しい私のチャゲアスファンとしての、出発点だから・・・

そして、ASKA・・・ありがとう・・・